パレート効率性は経済学における資源配分に関する概念です。
経済学者のヴィルフレド・パレートによって提唱されたので、その名前がついています。
ここではパレート効率性とは何かを、かなりわかりやすく噛み砕いて解説します。
パレート効率性って何?
パレート効率性とは資源をいかに効率的に配分できているかという指標です。
ここでいう効率的とは、資源を無駄なく使い切ることです。
資源は色々な要素を含んでいて、
ピザを切り分けるとき。
仕事を割り当てるとき。
所得配分を考えるとき。
シフトを組むとき。
様々な場面でパレート効率性が潜んでいます。
パレート改善
・8切れのケーキがあって、それをAさんとBさんに配分するとします。
・AさんとBさんは食いしん坊で、食べれば食べるほど効用(満足)が増えます。
一切れずつ2人に配分する状態1と、二切れずつ配分する状態2を考えたとき、どちらがより効用が大きいと思いますか?
そう。状態2の方が大きいです。
このように、誰も犠牲にしないで全体の効用を増やすことを、パレート改善すると言います。
誰も犠牲にしないで、とは、誰も損することがないということです。
例えば、(Aさんのケーキ、Bさんのケーキ)の数が(2、3)の状態と、(1、5)の状態を比べたとき、全体の効用が大きいのは後者です。
しかし、前者から後者に移ろうとすると、Aさんが一切れ分損します。Aさんが犠牲になっているので、これはパレート改善するとは言えません。
パレート効率的
資源を無駄なく配分できて、それ以上誰かの効用(満足)をあげるためには、別の誰かを犠牲にしないといけない。それ以上パレート改善できない。
そんな状態の事をパレート効率的、あるいはパレート最適と呼びます。
8切れのケーキを全て2人に配ることができたら、パレート効率的となります。またこの場合だと、8切れを2人に配分する組み合わせは複数あるので、パレート効率的も複数あります。
問題点
パレート効率性には一つ問題点があります。
それは公平性を考慮していないということです。
例えばケーキの配分が(0、8)の時の状態は、(4、4)と比べても全体の効用は同じです。
ケーキは8切れ。それ以上効用を増やすことができないので、どちらもパレート効率的であると言えます。
パレート効率的には平等や均等の概念が含まれていないのです。
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