国際経済や企業同士の競争、職場の人間関係やプライベートの友人関係、さらには対戦ゲームやトランプと言った身近な所まで、あらゆる場所に戦略的状況は存在します。
無闇に動くのではなく、しっかりと戦い方を知っていれば望む結果を得られる確率は上がります。
しかし戦い方と言っても様々な戦略や戦法があります。どのような戦略を選べばいいか悩みますよね。
今回は最強の戦略と名高い「しっぺ返し返し戦略」についてわかりやすく解説していきます。
しっぺ返し戦略とは?
しっぺ返し戦略とは囚人のジレンマにおける無期限繰り返しゲーム(いつ終わるかわからない、連続的なゲーム)での戦略の一つです。
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相手に協力するか、それとも裏切って出し抜くか。しっぺ返し戦略はその問いに答えを出してくれます。
ルールはたった2つ。
・初手は協調を選ぶ。
・二回目以降は、一回前のゲームで相手が選んだ選択と同じ選択をする。
つまり、相手が裏切るまで絶対に自分からは裏切らない。相手が裏切るなら自分もやり返す。でも相手が改心して協調を選んだら寛容に許してやり、自分も協調を選ぶ。
そういう戦略です。
最強の所以
なぜしっぺ返し戦略が最強なのか。
アメリカの政治学者ロバート・アクセルロッドが囚人のジレンマの競技会を企画し、様々な戦略を備えたプログラム同士を対戦させました。
そこで2度にわたり優勝したのがしっぺ返し戦略です。
この事実が最強と呼ばれる所以です。
しっぺ返し戦略のメリットとしては柔軟性と簡素さが挙げられます。
相手の選択に応じて選択を変えるため、裏切られっぱなし等の状況を回避することができ、
戦略がシンプルでわかりやすいので、相手もこちらの手を学習し、互いに協調を選ぶ最善の状態(パレート最適)を達成しやすくなります。
弱点
しっぺ返し戦略には弱点もあります。
相手もしっぺ返し戦略を取っていた際に、どちらかが何かの間違いで裏切りを選択してまった場合、その後は報復合戦になってしまい修正が効きません。
ぼーっとしてたり、勘違いしてたり、何かの偶然が重なって意図していた選択とは違う選択をしてしまうことは往々にあり得ます。
そんな時にしっぺ返し戦略に縛られていると、互いの利益を落としてしまいます。
またしっぺ返し戦略は短期決戦にも弱いです。
極端な話ゲームが一回限りだとしたら、
しっぺ返し戦略は初手に必ず協調を選ぶので、裏切られた場合に痛い目を見てそこでゲーム終了となってしまいます。
だから偶然居合わせて、その後は関わることないような人に対してはしっぺ返し戦略は有効的ではありません。
まとめ
しっぺ返し戦略の一番の長所はその上品さです。
自分からは決して裏切らない。
それが信頼となり、やがて高い生産性を実現する。
ゲーム理論が役立つ場面は多いので、ぜひ参考にしてみてください。