「足」「脚」の違いは?意味や使い分けをわかりやすく解説!

似ている言葉の違い
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「足」とは

「足」とは、体を支えたり移動するための器官です。

足の本数や形状は動物によって様々であり、「節足動物・頭足類・腹足類」などのように、生き物の分類を決める基準にもなっています。

特にヒトにおいては、広義では下肢全体を指し、狭義では足首以下の部分を指します。

「足」の慣用句表現

足は人間の最も基本的な移動手段であり、その代名詞的役割を持ち合わせます。例えば、出かけたり目的地に向かうことを「足を運ぶ」、気が進まないことを「足が重い」などのように表現します。

比喩的にもよく用いられ、食べ物の腐敗や病気の進行に対して「足が早い」と言ったり、受験などにおいてある基準以下を切り捨てることを「足切りをする」などのように表現します。

その他、「足がつく(痕跡が残る)」「足を洗う(改心する)」「足が出る(予算などがはみ出る)」などがあります。

例文
  • 足が大きいからなかなか丁度良いサイズの靴が見つからない。
  • 小学校では足が速い人がモテる。
  • たくさん歩いたから足が痛い。
  • 寒い日に足湯に入るともう出たくなくなる。
類義語
  • 御御足(おみあし)
  • あんよ
  • 下肢

「脚」とは

「脚」とは、「足」と同様に体を支えたり、移動するための器官を意味しています。

脊椎動物の「脚」の起源は魚類の鰭であり、陸上に適応する形で進化しました。昆虫の節足や蛸の触手などのように、無脊椎動物においても同様の機能を果たす構造が見られ、「脚」はあらゆる生物において体の支持と効率的な移動を可能とする根幹の器官になっています。

「脚」は基本的に生物の付属肢を意味しますが、二足歩行動物における前肢は「脚」とは区別され、ヒトや獣脚類(ティラノサウルスなどの恐竜)の場合は「腕」、獣脚類から進化した鳥類においては「翼」と呼ばれます。

生物の付属肢以外に使われる「脚」

椅子やタンスなどの無機物に対して、本体部分を支えたり移動させる機能を持つ部分も、比喩的に「脚」と呼ばれます。

熟語においては、脚注・脚本などのように、下位部分や基礎となる部分を指して「脚」の字が使用されます。

例文
  • 彼女はモデルみたいに脚が細い。
  • 戦争で左脚を失ってしまった。
  • 彼は大事を成し遂げて脚光を浴びた。
  • 脚立を紛失していて棚の上に手が届かない。
類義語
  • 前肢
  • 後肢
  • 土台

「足」「脚」の違い・使い分け

  • 「足」:体を支えたり移動するための器官。特に足首以下の部分。
  • 「脚」:体を支えたり移動するための器官。生物の付属肢。

形態学的には「足」は足首以下の最下部を指し、「脚」は「足」を含めた下肢全体を指します。

しかし通俗的には「足」も下肢全体を指して使用されることが多く、「足」と「脚」に明確な区別はありません。従って日常会話レベルでヒトの下肢全体を指して「あし」と呼ぶ場合は、どちらの表記であってもほとんど問題ありません。ただし「足を洗う」「足が重い」などのように慣用句として使用する場合は、「足」と表記する方が望ましいです。

明確に下肢全体を強調したい場合は「脚」と表記した方が良いでしょう。例えば「脚を洗う」と表記した場合は、「改心する」と言った意味はなく、「石鹸や水で物理的に綺麗にする」と言った意味になり、紛らわしくないです。

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