「下る」「降る」の違いは?意味や使い分けをわかりやすく解説!

似ている言葉の違い
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「下る」とは

「下る(くだる)」とは、高い位置から低い位置に移動することを意味する言葉です。物事が下に移ることを表します。

他には「中心部から外れていくこと」「基準となる程度を下回ること」「命令や判断が言い渡されること」などを表します。

「下る」は常用漢字表に記載されている読みからで、公用文などでも使用することができます。

「下らない」の語源とは?

「価値がない」「つまらない」などの意味で物事を貶す際に「下らない」と表現することがあります。これは都から離れていくことを「下る」とする表現に由来します。

江戸時代に上方(京都付近)で醸造された酒のうち、良質なものは将軍のお膝元である江戸へと下り、悪質な物は江戸には下らず、当地で消費されました。そのため「(江戸に)下らない酒」と「粗悪な酒」が結びつくようになり、価値が低いものを「下らない」と言うようになりました。

例文
  • 坂を下った先に職場がある。
  • イカダで川下りをする。
  • 腹を下してしまった。
  • 長い裁判の末に判決が下された。
類義語
  • 下がる
  • 下りる
  • 落ちる
  • 劣る

「降る」とは

「降る(くだる)」とは、「下る」と同様に、高い位置から低い位置に移動することを意味する言葉です。物事が下に移ることを表します。

「降る」は常用漢字表に記載がなく、表外読みとなります。

「降」は同じ送りがなで「降る(ふる)」とも読みます。

例文
  • 山を降る。
  • 坂を降る。
  • 陣門に降る。
  • 軍門に降る。
類義語
  • 負ける
  • 参る
  • 屈する
  • 敗れる

「下る」「降る」の違い・使い分け

  • 「下る」:高い位置から低い位置に移動する・常用漢字
  • 「降る」:高い位置から低い位置に移動する・表外音訓

「下る」と「降る」に、明確な意味の違いはありません。ただし便宜的な使い分けや細かいニュアンスの違いなどがあるので、以下で確認していきましょう。

基本的には常用音訓である「下る」

多くの場合で「くだる」は「下る」と表記されます。理由としては、①《「下る」が常用漢字表に記載された読み方である一方、「降る」は表外読みであること》②《「下る」の方が「降る」よりも画数が少なく、書く手間が省けること》③《「くだる」の対義語は「上る」であり、「上」と対をなす漢字である「下」の方が収まりが良いこと》などが挙げられます。

「降る(ふる)」との混同を避ける

「降る(くだる)」には、全く同じ表記で「降る(ふる)」という読みが存在します。送りがなが同じで意味も似通っているためふりがななしでは判別することができず、文脈から推測するしかありません。

このような混同を避けるために、「くだる」を漢字表記する際は「下る」とした方が無難です。

「降る」は敗北のニュアンスが強い

「降」を含む熟語には「降伏」「降参」「投降」のように、敗北を意味する言葉が多数あります。

「軍門にくだる」などのように、敵に敗北し屈服する様子を表す場合、通常は「降る」が「下る」よりも優先されます。

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