「関わる・係わる・拘わる」の違いは?意味や使い分けをわかりやすく解説!

似ている言葉の違い
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「関わる」とは

「関わる」とは、何かと関係を持つことを意味する言葉です。別々の事象や存在に、何らかの繋がりがあることを表します。ある物事に対して何らかの役目を果たしていたり、互いに影響を与えている場合に「関わる」と表現します。

「関」は「関所」や「関門」などの熟語で使用され、境界の繋ぎ目を表す漢字です。「関」は門を閉める役割を持つ「かんぬき」が語源だとされていて、左右の扉を渡していることから、「つながる」という意味を指すようになりました。

「関」を含む熟語には「関係・関節・機関・関所・関門」などがあります。

例文
  • 侮辱されたままでは組織の沽券に関わる。
  • 増税は人々の生活に関わってくる。
  • 環境改善に関わる仕事をしています。
  • 色には光の波長が関わっている。
類義語
  • つながる
  • 首を突っ込む
  • 縁がある
  • 携わる

「係わる」とは

「係わる」とは、何かと関係を持つことを意味する言葉です。「関わる」と同様に、別々の事象や存在に、何らかの繋がりがあることを表します。「関」と合わせて、「関係」という熟語を構成しています。

「係」の字を分解すると、「人偏」と「系」に分かれます。「人偏」は「人」を意味し、「系」は「糸」を意味します。つまり「係」とは「人と人を繋ぐ糸や綱」を語源とした言葉です。

「係」を含む熟語には「関係・係数」などがあります。

例文
  • 人命に係わる一大事だ。
  • プロジェクトに係わる全ての人々に感謝する。
  • 奴に係わってしまったのが運の尽きだった。
  • 金の有無には係わらない。
類義語
  • 加わる
  • 担う
  • 関与する
  • まつわる

「拘わる」とは

「拘わる」とは、広義では「関係を持つ」と言う意味もありますが、主に物事に執着することを意味する言葉です。取るに足らないことや小さなことにこだわること、あるいは妥協を許さずにとことん追求することを表します。

「拘」は何かを引っ掛けて留めておく「鉤」を表していて、そこから転じて「とらえる・つかまえる」といった意味を持つようになりました。

「拘わる」と「拘る」と「拘う」

「拘」には「こだわる」と言う意味を表現する読み方が三つあります。

  • 拘わる(かかわる)
  • 拘る(こだわる/かかわる)
  • 拘う(かかずらう)

「拘」を含む熟語には「拘泥・拘束・拘置」などがあります。

例文
  • 彼女は栄養には拘わる人だ。
  • 細かいことには拘わらないようにしている。
  • 彼は昔の恋人に今でも拘わっている。
  • 早起きしたにも拘わらず、なんだかんだで会社に遅刻した。
類義語
  • こだわる
  • 口うるさい
  • 執拗
  • 固執

「関わる・係わる・拘わる」の違い・使い分け

  • 「関わる」:何かと関係を持つこと
  • 「係わる」:何かと関係を持つこと
  • 「拘わる」:こだわること

「関わる」と「係わる」は、語源が異なるものの、その意味に違いはありません。どちらも「何かと関係を持つこと」を意味していて、一般的にもほとんど区別せずに使用されています。

ただし「関わる」が常用漢字であるのに対し、「係わる」は表外読み(常用漢字表にない読み方)です。公用文や正式な書類等では「関わる」を使用することが望まれます。

「拘わる」は「関わる・係わる」と違って、人の心理状態を表す言葉です。妥協せずに取り組む姿勢や物事に執着する様子を表す場合に使用されます。

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