この記事では「止まる・留まる・停まる・泊まる」の意味の違いについて、具体的な例文を交えながらわかりやすく解説していきます。
「止まる」とは
「止まる」の意味は、「動いていたものが動かなくなる」「連続性が途絶える」「変化していたものが定まる」などがあります。
「動いていたものが動かなくなる」は、走っていた動物が足を止めたり機械が壊れて動かなくなったりする場合など、「連続性が途絶える」は、水の流れが止まったり泣き止んだりする場合など、「変化していたものが定まる」は、鳥が木に止まったり視線が止まる場合などが、それぞれ該当します。
例文
- 風が止んでヨットが止まる。
- 時計の針が止まっていることに気がつかず、遅刻してしまった。
- 8戦目で敗北し、連勝記録が止まってしまった。
- 木の枝に可愛らしい鳥が止まった。
「留まる」とは
「留まる」は「とまる・とどまる」と読み、辞書的には「止まる」と同じ意味を持っています。ただし、一般的には「止まる」よりも限定的なニュアンスで使用されています。
「留まる」は「あるものが特定の座標に固定されて動かなくなる」あるいは「見聞きしたものが印象的で心に残る」といった意味合いがあります。
例文
- ポスターを画鋲を使って壁に留める。
- ヘアゴムで髪を留めておく。
- 彼が去り際に言った言葉を気に留めておく。
- 本棚のとある一冊が目に留まる。
「停まる」とは
「停まる」も「留まる」と同様に、辞書的には「止まる」と同じ意味を持っています。ただし、一般的には「止まる」よりも限定的なニュアンスで使用されています。
「停まる」は、「一時的に動かなくなる」という意味合いで使用されます。特に車や電車などが人の乗り降りのために止まる場合などは、「停まる」が使用される傾向があります。
例文
- 手をあげてタクシーを停める。
- 目の前に高級車が停まった。
- 1番線に電車が停まった。
- 列車が停まっている。
「泊まる」とは
「泊まる」は、主に「自宅以外の場所で夜を過ごすこと」を意味します。「動いていたものが動かなくなること」よりも「夜を明かすこと」に重点が置かれているので、「泊まる」は「止まる・留まる・停まる」とは意味合いが若干異なります。
寝泊まり以外の用例としては、船が港に停泊する際に使用される「船が港に泊まる」などがあります。
例文
- 家族でホテルに泊まる。
- 友人の家に泊まる。
- 旅先で安い宿に泊まる。
- 北の港に大きな貨物船が泊まる。
「止まる」「留まる」「停まる」「泊まる」の違い
- 止まる……動いていたものが動かなくなる。
- 留まる……固定されて動かなくなる。
- 停まる……一時的に動かなくなる。
- 泊まる……自宅以外で夜を明かす。
「止まる・留まる・停まる」は基本的に同じ意味です。「止まる」が最も広範囲に使用できる言葉で、「留まる・停まる」は限定的な範囲でのみ使用されます。困ったときは「止まる」を使用すれば問題ありません。
「泊まる」は特定の室内で夜を過ごすことを意味していますが、「止まる」にこの意味はないため代用不可能です。