「現れる」とは
「現れる」とは、隠れていたものが出てくることを意味する言葉です。主に物質的な対象について、観測不可能であった状態から、観測可能な状態に変化することを言います。
遮蔽物を避けたり取り除いたりすることによって、物質として存在しているものが新たに姿を見せる現象を指します。
例文
- 水面から少年が現れる。
- 舞台に現れたのは王子様だった。
- 持ち主が現れないので、忘れ物を処分した。
- 腕に湿疹が現れる。
類義語
- 登場する
- 誕生する
- 参る
- 起こる
「表れる」とは
「表れる」とは、隠れていたものが出てくることを意味する言葉です。主に抽象的な対象について、観測不可能であった状態から、観測可能な状態に変化することを言います。
感情や思考などの抽象的なものが、さまざまな意思疎通手段を通じて発せられる現象を指します。
例文
- この手紙には彼の気持ちがよく表れている。
- ルール改正の効果が表れ始めた。
- 彼は嫌なことがあると顔に表れる。
- 努力が結果に表れるのには時間がかかる。
類義語
- 起こる
- 示す
- 発せられる
- 生じる
「顕れる」とは
「顕れる」とは、隠れていたのものが明らかになるという意味の言葉です。認知度の低い事柄が誰の目にも分かる形で露呈することを言います。
知られていなかった事実や能力が、何かのきっかけで曝け出される現象を指します。またはその真価を発揮することを指します。
例文
- 本性が顕れる。
- 真実が顕れる。
- 秘められた才能が顕れ始めた。
- 悪事が顕れる。
類義語
- 明るみに出る
- バレる
- 公になる
- 発覚する
「現れる」「表れる」「顕れる」の違い・使い分け
「現れる」「表れる」「顕れる」は、どれも隠れていたものが観測可能になるという点で共通した意味を持っています。
「現れる」と「表れる」の違い
「現れる」と「表れる」は同義語として分類されていて、明確な使い分けはありません。ただし、「現れる」は物質として存在している形而下のものを対象にするのに対し、「表れる」は物質としては存在していない形而上のものを対象にして使用されることが多く、この使い分けは社会に定着しています。そのため「何があらわれるのか」によって便宜的に使い分けが可能となります。
使い分けが曖昧なケース
対象による便宜的な使い分けが行き届いていないケースもあります。例えば効果や症状などが該当します。以下の文章などは「現れる」と「表れる」の両方が使用できます。
- 薬の効果があらわれる。
- 風の症状があらわれる。
「現れる・表れる」と「顕れる」の違い
「現れる・表れる」に比べて「顕れる」は使用頻度が低く、より限定的な使われ方が定着しています。
「顕れる」は隠れていたものが外に出てくる現象だけに焦点を当てるのではなく、それに伴って情報が明かされることも含意します。認知されていなかったものが露呈し、知れ渡ることを強調しているのです。