経済学の面白いところを初学者にもわかりやすく解説!

経済学
初めに

この記事では筆者が経済学を学んだ上で一番面白いと思ったところを紹介します。主観的な判断ですので、他の方が面白いと感じる部分とはズレているかもしれません。

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ゲーム理論

経済学を学んで一番面白いと感じたのはゲーム理論でした。

ゲーム理論とは複数主体が相互に作用する状況での人々の意思決定や行動を分析する学問です。

もう少し噛み砕いて言うと、利害関係がある複数のプレイヤーが、互いの思考を読んで自己の利益の最大化を目指している状況を分析する学問です。このような状況を戦略的状況と呼びます。

わかりやすい例を挙げると将棋などがそうです。

将棋には二人のプレイヤーがいて、互いの手を読んで最善手を探し勝利を目指すゲームなので、戦略的状況と呼べます。

他にもチキンレースやデートの駆け引きなど、様々な状況が当てはまります。

このゲーム理論で面白いと感じたのは、他の分野に比べてかなり汎用性が高い点と、戦略的状況が備える文字通りのゲームのような「ゲーム性」に惹かれたからです。

例えばトランプの大富豪で、例えば遊戯王などのトレーディングカードゲームで、例えばジャンケンの派生のグリコで、戦略的な状況でいかに勝つか。それを探究するのはゲーム好きの筆者としては大変興味深いです。

実際にゲーム理論がどのようなゲームを想定しているか具体例を紹介したいと思います。

酒場を訪れた乱暴者

ある街に一人の乱暴者がいました。

彼はとても暴力的で、誰かをボコボコにすることで快感を得る人間でした。

そんな彼が今日の獲物を探してとある酒場を訪れます。その酒場はよく賑わっていて、店内にはたくさんの客がいました。

そして乱暴者は店内を見回して喧嘩する相手を探します。乱暴者は相手をボコボコにはしたいけど、自分がボコボコにされるのは嫌な卑怯者でもあったので、できるだけ弱い奴と喧嘩したいと望んでいます。

しかし見たところ体格は大体同じくらいの客ばかりで、見た目には誰が弱いのか区別がつきません。

そこで乱暴者は彼らが食べている料理に目をつけました。

ここの酒場では二種類の料理しか提供されてなく、客は肉がサンドイッチを選ぶことになっていました。

そこで乱暴者は考えます。肉を食うような奴はきっと強い。サンドイッチを食うような奴はきっと弱い。よし、サンドイッチを食っている奴と喧嘩しよう。

と、そこまで考えたのはいいですが、実はこの乱暴者の存在は町ではかなり有名なので、人々は喧嘩を挑まれないように、自分を強く見せようと考える者もいました。

だから本当はサンドイッチを食べたいけど、我慢して肉を食べる客が出現するようになったのです。つまり肉を食べていたとしても、その人物が本当は弱いかもしれない可能性があるのです。

しかし乱暴者は意外にも知恵が回ったので、そういう嘘つきの存在に感づいていました。また、強い人に反撃されるのも嫌なので逃げると言う選択肢も考慮します。

もし乱暴者が消えてくれたら、そもそも強い人も弱い人も喧嘩なんてしたくないのでとても嬉しく思います。

さて、このような状況で、誰がどう行動するのが正解でしょうか?


これはシグナリングゲームと言って、相手(客)の提示するシグナル(料理)をプレイヤー(乱暴者)が観察して、意思決定を決める戦略的状況となります。

登場人物たちの満足度や弱いか強いかの確率などに、具体的な数値を当てはめて考えると均衡がわかるのですが、結構複雑なのでここでは省略します。詳しく知りたい方はビールキッシュゲームで検索してみてください。

この話のキモは、弱い人が強い人のフリをして喧嘩を回避するために、嫌々肉を食べるインセンティブが働くとこにあります。

このため乱暴者は客の強弱を完全に区別することができず、この状況にゲーム性が発生するのです。

もしあなたがこの乱暴者なら、どう判断基準を決めますか?

もし客が全員肉を食べていた場合、強い人の反撃を恐れて逃げますか? それとも嘘つきが半数以上いると想定して挑みますか?

ゲーム理論はこのような判断を計算によって導くことを可能にしています。

最強の戦略

シグナリングゲームの他にも、囚人のジレンマと言うゲームが存在します。これは相手を裏切るか、信じるか、と言うゲームです。

この囚人のジレンマゲームに関して、様々な戦略を対応させたコンピュータ・プログラム同士を戦わせて、最強の戦略を決める競技会が政治家のアクセルロッドによって開催されました。

この時点でワクワクするイベントですが、実際に優勝した戦略もまた興味深いです。

優勝したのは「しっぺ返し戦略」と言う戦略でした。この戦略は、まずは信じる。そして相手が裏切ってきたら自分も裏切る。相手が改心したら許してやる。そういう信念を持っていました。つまりしっぺ返し戦略は自分からは決して裏切らないという上品さと、相手が改心したら許してやると言う寛容さを兼ね備えていたのです。

まとめ

個人的な意見としてはゲーム理論が経済学において一番面白い単元です。あくまで個人的な意見です(大事なので2回言いました)。

また経済学部に入らなくても、教養として知っておきたいレベルであれば十分独学で対応できます。

ゲーム理論の本だけ読んでみても面白いと思います。

16歳からのはじめてのゲーム理論 "世の中の意思決定"を解き明かす6.5個の物語
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