「元」「素」「本」の違いは?意味や使い分けをわかりやすく解説!

似ている言葉の違い
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「元」とは

「元(もと)」とは、根源や根本を原義に持っていて、物事の起源・過去・周辺を意味する言葉です。

「出火元」のような場合は「物事の起源」を意味し、物事が起きた発端や原因を表します。「元に戻す」のような場合は「過去」を意味し、前の状態や初期状態を表します。「足元」のような場合は「周辺」を意味し、そこから近い範囲を表します。

例文
  • 元の鞘に収まる。
  • 体育の先生は元々スポーツ選手だった。
  • まずは元手を増やすべきだ。
  • バイキングでたくさん食べから元は取れた。
類義語
  • 起源
  • 原因
  • 発端

「素」とは

「素(もと/す/そ)」とは、ありのまま・簡単である様・物事の本質、最小単位を意味する言葉です。

「素の自分」といった場合は「ありのままの自分」を意味し、「素読」といった場合は「ざっと読むこと」を意味し、「素数」といった場合は「それ以上割り切れない数」を意味します。

例文
  • 鍋にスープの素を投入する。
  • 素人には任せられない。
  • 素より覚悟の上だ。
  • 犬は素より猫も好きだ。
類義語
  • 天然
  • 本来
  • 自然

「本」とは

「本(もと)」とは、物事の根幹を意味する言葉です。物事の発端や基礎、原因を表します。

成り立ちは、「木」の字に「ねもと」を表す線を引いて「本」とし、「根本、もと」を表すようになりました。

例文
  • 本を正す。
  • 用語の大本の意味を調べる。
  • 旗本とは、将軍に御目見できる近衛兵のことである。
  • 孝は百行の本。
類義語
  • 基盤
  • 骨子
  • 発端

「元」「素」「本」の違い・使い分け

  • 「元」:物事の起源・過去・周辺
  • 「素」:ありのまま・簡単である様・物事の本質、最小単位
  • 「本」:物事の根幹

三つの中で「素」は特に意味合いが異なっていて、飾られていないこと、手が加えられていないこと、複雑でないことを強調して表しています。また「素(もと)」は表外読みのため、「元」の字を使う場合もあります。

「元」と「本」は意味が似通っているので、以下で詳しく解説します。

「元」と「本」の違い

「元」には「根源・根本」という原義があり、「本」にも「根幹」という意味があります。便宜上「根源・根本・根幹」の字を使い分けていますが、大まかな意味は全て同じです。明確な区別はされていません。

そのため言葉の意味合いからどの字を使うべきかを判断することは難しく、使い分けが必至な場合は、その用語や慣用句ごとに覚える必要があります。

基本的に「元」の方が広く使われますが、「本」で出なければダメな場合もあります。例えば「もとを正す」は「本を正す」が正しく、「元を正す」は誤りです。日本の異称である「日の本」も「本」でしか表せません。

「本(ほん)」との混同を避ける

「臭いの本を断つ」とした場合、「臭いの発生源を消す」と「臭いについて述べられている書籍を切断する」の両方の意味に強引に捉えることができます。「臭いの元を断つ」であれば、確実に「臭いの発生源を消す」と解釈できます。

確実に「ねもと」と読ませたい場合にも「根本」では「コンポン」とも読めてしまうので、「根元」とした方が望ましいです。

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