パンドラの箱の意味
パンドラの箱は「触れてはいけないもの」「開けてはならないもの」という意味の慣用句として使われています。
これはギリシャ神話においてパンドラという女性が、神から与えられた禁断の箱を開けてしまい、そこからあらゆる災いが飛び出してきたことに由来しています。
パンドラの箱の使い方
触れてはいけないものに触れてしまったり、取り返しのつかない事態を招いてしまった時に、「パンドラの箱を開ける」と言います。
ある情報についてそれをパンドラの箱と表現することで、その情報が危険なものであることを示すことができます。
例えば都市伝説や陰謀論などを語るとき、その核心をパンドラの箱と呼んで、「知ってはいけない禁断の情報」であることを強調することができます。
類語
- 玉手箱:浦島太郎が竜宮城から持ち帰った箱。開けていけないと言われていたが開けてしまい老化してしまう。
- 地雷:爆発物の地雷に喩えて、相手の気に触るような微妙な話題を振ってしまったりした時に、「地雷を踏む」と表現する。地雷=取り扱い注意。
- 禁忌:触れてはいけないこと。タブー。
- 逆鱗:龍の弱点。相手が激怒するトリガーを引いてしまうことを「逆鱗に触れる」と表現する。
人類最初の女性・パンドラ
ことの始まりはプロメテウスが天界の火を盗んだことにはじまります。。
これに激怒したゼウスは人類に禍いをもたらすためパンドラという女性をヘファイストスに創らせます。
神々はパンドラにたくさんの贈り物を持たせ、プロメテウスの弟のエピメテウスの元へと送りつけました。エピメテウスはプロメテウスから「ゼウスには気をつけろ」と忠告を受けていたにも関わらず、パンドラを受け入れてしまいます。
パンドラが神々から授かった贈り物の中には、決して開けてはいけないという箱が含まれていました。しかし好奇心旺盛なパンドラはこの禁断の箱を開けてしまいます。
すると中から「悲嘆、疫病、犯罪、欠乏、不安、戦争」など、ありとあらゆる禍いが飛び出してきました。パンドラは慌てて蓋を閉めますが、すでに世界中に広まってしまっていて、箱の中には「希望」だけが残されました。
そうして人類は禍いに満ちた世界を希望だけを持って生きていくことになったのです。