経済学の重要な概念に、「効用」というものが存在します。効果や効能とも似ている言葉ですが、その正確な意味は少し違います。
今回は経済学の「効用」について簡単に解説していきます。
効用とは
効用はミクロ経済学における重要な概念で、英語ではUtilityと訳します。
効用は財やサービスを消費した時に消費者が感じる主観的な満足の度合いを意味しています。欲望の充足度とも言えます。
ご飯を食べて美味しいと感じたり、映画を見て感動したり、ゲームをやっていて楽しいと感じたり、財(モノやサービス)を消費して得た嬉しさや満足は全て効用に含まれます。
効用は個人によって異なり、経済学では人々はこの効用を最大化するために行動しているということを前提にしています。
使い方・例
よく使われる表現として「限界効用」というものがあります。
「限界」には「追加分」という意味があり、限界効用は「追加的な効用」という意味合いがあります。
具体的に言うと、ゲームをクリアしてからもう一度プレイするとき、その追加分の満足のことを限界効用と呼びます。
効用は主に消費者の行動を分析するために用いられます。
有名なものに二財モデルというものがあります。
モデルでは二つの財を仮定して、同じ分の効用が得られる財の組み合わせを結んだ線を無差別曲線と呼び、消費者のお財布事情を予算制約線と呼んで、それぞれの線から消費者の行動を分析します。
消費者はこの無差別曲線と予算制約線の接点で行動すると、効用を最大化することができます。
まとめ
何かを欲しい、買いたいと思ったら、それは効用を期待しているからです。
効用が大きければ大きいほど、その財に対して払ってもいいと思える金額は増加します。
とても美味しいパンと、ただのパン。量は同じだったとしても、味による効用が大きい前者の方が価値が高くなります。もし値段が同じであれば、消費者はとても美味しいパンを優先して購入するでしょう。